(韓国・ハンギョレ紙社説 2007.7.31付け)
選挙結果、安倍路線の再検討の契機となるか。
29日にとり行われた参議院選挙で自民党が大敗した。参議院を野党が支配する事となったのは、55年自民党が作られて以降、初めての事であるから、日本の言論らが選挙結果を安倍政権に対する不信任であると評価するのも当然である。
しかし、自民党は昨日、安倍政権の維持する事にしたと明らかにした。安倍晋三総理は、やはり自身の基本路線は国民の多数が理解しているので、引き続いて総理として責任を全うしたいと明らかにした。
こんな彼の発言は、選挙結果が年金記録問題と閣僚たちの腐敗を断罪したのであって、彼が追及して来た戦後保守主義の再構築に対する、国民の反対はないという認識を反映している。
無論、自民党敗北の直接的原因は、年金問題と閣僚の腐敗、日本社会の格差問題などだ。しかし、そうだとして彼の国政の方向に対して、日本国民が同意していると主張するのは、度が外れている。
去年、自民党総裁選挙で“戦後レジュームからの脱却”と“美しい国日本”という旗を揚げて当選した安倍総理は、今回の選挙戦で憲法改正の為の国民投票法の必要性を必死に訴えたが、国民の支持を受けるのに失敗した。
少なくとも日本国民に、憲法改正は緊急な事ではないことを確認されたのだ。合わせて、我々は、安倍総理の「新しい日本」に疑懼心(ギクシン)を持たざるを得ない。
彼は、教育基本法を改定して愛国主義を鼓吹させて、防衛庁を省に昇格させた。また集団的自衛権の行使を禁止した憲法解釈を変更して究極的には戦争と武力行使を放棄した憲法9条を改定しようとしている。
軍国主義の復活を憂慮するような動きを継続する一方、自らの過去史を反省は拒否する事が、彼がいう「新しい日本」だ。例えば、今年初め、彼は軍隊慰安婦問題と関連して謝罪した河野談話を否定するような発言までした。
また今朝、米国下院で論議される軍隊慰安婦決議案の採択を阻む為に全方位的な努力を展開する事もした。難しい中で、再開された6者会談では韓半島の核廃絶解消の為、協力する換わりに日本人拉致問題を条件として標榜して、会談の進展を塞いだ。
こんな日本が、国際社会で特に東アジアで頼もしい隣人として認められる事は出来ない。安倍総理は今回の選挙結果を我田引水的に解釈せず、平和憲法改定路線が東アジア、進んで世界で尊敬される国として日本を再確立するのに適切であるか、再検討する事を願う。
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